身体の中から治療をサポート。脂漏性皮膚炎におすすめの食べ物は?
頭皮のトラブルの中でも、脂漏性皮膚炎は非常に多い症状。
フケが出る、においが気になるなどのほか、症状が進むとかゆみが酷くなり、かさぶたができる事もあります。また、抜け毛やAGA(男性型発毛症)を併発する事も……。
しかもやっかいなことに、一度症状が治まったと思っても再発する事が多いのも特徴です。
治療のためには医師の診察を受け、きちんと薬を服用することはもちろん、脂漏性皮膚炎について知り、毎日の生活習慣、特に必要な栄養素を含む食べ物をしっかりと摂る事が大切になります。
ここでは脂漏性皮膚炎対策におすすめの食べ物についてみていきます。
知っておきたい脂漏性皮膚炎について
ではまず、脂漏性皮膚炎とはどんな病気なのでしょうか?
脂漏性皮膚炎の”脂”とは、脂腺から分泌される皮脂のこと。脂腺は手のひらと足の裏以外の全身に分布して存在していますが、この脂腺が特に発達して集まっている場所のことを、「脂漏部位」と呼びます。
分泌された皮脂は弱酸性で殺菌作用を持つ皮脂膜を作りだし、有害物質や感染から皮膚を守る働きを持っています。
皮脂は皮膚の表面の常在菌により遊離脂肪酸に分解されるのですが、この遊離脂肪酸が刺激を与えて、脂漏性皮膚炎の症状を引き起こす場合があります。
また、常在菌の一つ、マラセチアは皮脂を好む真菌(カビの一種)ですが、皮脂の分泌が多くなると、このマラセチアが異常繁殖して炎症を引き起こすことがあり、これも脂漏性皮膚炎の原因の一つとなります。
つまり、脂漏性皮膚炎の症状を改善するためには、皮脂の分泌を抑えることが必要になります。
過剰な皮脂分泌対策に必要な栄養とは?
脂漏性皮膚炎の治療では過剰な皮脂分泌対策として、ビタミンB2とB6が処方されることがあります。
もちろん、普段の食事でもこの二つのビタミンを摂ることで治療の効果を高めることができます。
ビタミンB2とB6はそれぞれが単体ではなく、「ビタミンB群」として食べ物の中に存在しています。
ビタミンは全部で13種類あり、油に溶けやすい脂溶性ビタミンと、水に溶けやすい水溶性ビタミンに分けられますが、ビタミンB群とは、この水溶性ビタミンのことなのです。
ですので、ビタミンB2とB6を摂るにはこの水溶性ビタミンを多く含む食べ物を、日々の食事に取り入れることが大事になります。
もちろん、それぞれをより多く含む食べ物がより好ましいことになります。
ビタミンB2やB6を多く含む食べ物
では、具体的にはどんな食べ物になるでしょうか。野菜類と、肉・魚介類、加工食品に分けるとこのようになります。
ビタミンB2を多く含む食べ物
野菜類:マイタケ、ホウレン草、シソ、菜の花、ブロッコリー、ソラマメなど
肉・魚介類:牛、豚、鶏のレバーやハツ(心臓)、うなぎ、鶏卵、魚卵、しじみ、牡蠣など
加工食品:魚肉ソーセージ、カマンベールチーズなど
ビタミンB6を多く含む食べ物
野菜類:ニンニク、シシトウ、パプリカ、カイワレ大根、芽キャベツ、シソ、かぼちゃ、バナナなど
肉・魚介類:牛、豚、鶏のレバー、まぐろ類、かつお、ごまさば、さんま、鶏肉(脂肪分の少ないささみ、皮を外した胸肉)など
加工食品:納豆
摂取の仕方には注意が必要
ただし、食べ方にも注意が必要です。
水溶性ビタミンは、水に溶けやすく熱に弱いという特徴があるからです。
肉類から摂る時は、できるだけ生に近い形で食べられるものが理想的です。
ビタミンB2の場合、鶏卵や魚卵、牡蠣が生で食べやすい他、魚肉ソーセージやカマンベールチーズは間食としても摂りやすいのが利点です。
ビタミンB6なら、まぐろ類やかつお、さんまの刺身が良いでしょう。
気を付けたいのは一度冷凍~解凍されたものではビタミンB6が減ってしまうこと。
できるだけ獲れたての、生の物を買うようにして下さい。
また、野菜類はどれも洗ったりアクを抜く時、水に晒し過ぎるとビタミンが溶け出してしまいますので、あまり時間をかけないようにして下さい。
ビタミンB群は摂りすぎても、体の中に蓄積されません。
安心して食事に取り入れてください。