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膿が出るほど悪化した脂漏性湿疹!原因は?ケアはどうしたらいい?

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脂漏性湿疹(脂漏性皮膚炎)の症状を放っておくと悪化が進み、黄色い膿が出てくる状態となることがあります。

そこまで悪化すると完治も簡単ではなく、根気よく治療を行っていく必要が出てきます。

ここではどうして脂漏性湿疹が悪化すると膿が出るのか?その理由や対策についてみていきます。

脂漏性湿疹の特徴について

脂漏性湿疹は皮脂の分泌が多い頭皮や鼻の周り、耳の後ろなどに起こりやすく、赤くなって皮膚が剥がれてくると、かゆみも起こります。

頭皮の場合はフケのように落ちてくることがありますが、脂漏性湿疹の皮脂は酸化してニオイを発することもあります。

3か月くらいまでの乳幼児期にも起こりますが、乳児では自然治癒するのに対して、思春期以後の成人では慢性化しやすくなります。

脂漏性湿疹の原因はまだ完全に解明されているわけではありませんが、皮膚の常在菌であるマラセチア菌が大量に増殖して炎症とかゆみを引き起こすと言われています。

そうなる要因としては、ストレスや疲れ、合わないシャンプーや石鹸での洗髪や洗いすぎ、ビタミンB不足や食習慣、生活習慣などが挙げられます。

かゆみを起こしている部分をつい掻きむしると黄色い汁が出ることがあります。

この汁はリンパ液で傷の自然治癒に役立ちます。
リンパ液とは異なる黄色いネットリとした分泌液として膿があります。

膿が出来るメカニズム

膿は白血球の一種である好中球などが傷口に侵入してきた黄色ブドウ球菌などの細菌と闘って(※簡単にいうと好中球が細菌を食べ、その後好中球は死亡)やっつけた後の残骸で、膿の量は細菌の量に比例するとされています。

傷口を何度も掻いているうちに傷口内で黄色ブドウ球菌が増殖(感染)し、化膿を起こします。ひどくなるとトビヒとなり、体の他の部位や接触した他人に移ってしまいます。

膿が出るほどの脂漏性湿疹が頭皮のあちこちに広がってしまうと、その部分には新しい毛が生えにくくなり薄毛になることもあります。

膿が出る状態はかなり重症の脂漏性湿疹になっているので、そのままにしておいても自然治癒は難しい状態です。

すぐに病院を受診して皮膚科で薬をもらうことが大切です。

膿が出るほど悪化した脂漏性湿疹の治療について

皮膚科ではステロイド薬やマラセチア菌の増殖を抑える抗真菌薬と、かゆみを抑えるためのヒスタミン剤やビタミン剤などの内服薬が処方されます。

身体の他の場所に移るのを避けるために膿が出なくなるまでは、タオルや枕カバーなどはこまめに洗って取り換え、爪は短く切って皮膚を傷つけないようにしましょう。

ケアとして皮膚を綺麗に保つ必要がありますが、シャンプーや石鹸でゴシゴシ洗うのは禁物です。

脂漏性湿疹には低刺激なシャンプーや石鹸を使ってやさしく洗うと頭皮への負担も少なく、薬との併用でかゆみも収まってきます。

抗真菌剤の入った薬用シャンプーや石鹸は、マラセチア菌を抑えるためには有効ですが、常在菌の良い菌も殺菌されてしまうのでずっと使用するのではなく、常在菌のバランスを整えるため通常の低刺激なシャンプーや石鹸に切り替えていくことも必要です。

再発させないための予防対策

膿が出るまで重症化した脂漏性湿疹は、ステロイド薬で一時的にはよくなりますが、ステロイド薬を止めると再発することがあります。

ステロイド薬を塗ったり止めたりを繰り返すと皮膚自体が弱ってきてしまいます。

またステロイド薬は長期間使用すると副作用があるとも言われています。

かゆみが収まってきたら、医師とも相談して原因と思われるものを排除していくことが再発防止になります。

脂漏性湿疹が重症化してしまうと、すぐに完治するのは難しく人によっては数年かかることもあります。

脂漏性湿疹を再発させないよう、皮脂の分泌を正常化するためにストレスや疲れをためない生活を目指し食生活も見直すことが必要です。

刺激の強い香辛料や揚げ物、お酒を控え、皮脂の分泌を抑える効果のあるビタミンBを含む野菜を意識してたくさん食べるようにしましょう。

腸内の悪玉菌によって皮脂の質が低下するので、腸内環境を整えることも大切です。

またカラーやパーマは頭皮にかなりの刺激を与えているのでしばらくやめておくことです。

顔に出ている場合にはインナードライになっていないかや化粧品が刺激になっていないかに注意しましょう。

皮膚が乾燥しているために皮脂の分泌が増えてマラセチア菌が増えていくパターンも多く見られます。

角質層が保湿されると皮脂の分泌も正常になりマラセチア菌のエサも減るので脂漏性湿疹が収まってきます。

紫外線も脂漏性湿疹には悪影響を及ぼします。

日焼け止めには界面活性剤などの刺激物が含まれたものも多いので、帽子や日傘などを活用して紫外線を物理的に遮ることも必要です。

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