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脂漏性皮膚炎対策用の薬用シャンプーを選ぶ際の3つのポイント

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脂漏性皮膚炎対策のシャンプーを探すのであれば、まずは有効成分が配合された薬用シャンプーを試してみるのがおすすめです。

とはいっても、薬用シャンプーも色々な種類があり、配合されている有効成分も違えば、得られる効果も異なります。

ここでは脂漏性皮膚炎対策用の薬用シャンプーを選ぶ際のポイントをご紹介します。

有効成分の効果を確認する

薬用シャンプーの特徴といえば、有効成分が配合されている点です。
薬用は医薬部外品を指します。

有効成分は成分の持つ効果範囲内で効果効能を謳うことができる成分です。

簡単にいうと、医薬品と化粧品の中間に位置し、主に予防・防止に役立つ成分が含まれていることが多いです。

脂漏性皮膚炎対策の薬用シャンプーとしては主に2種類があります。

1つは肌荒れや痒みを防止する効果のある薬用シャンプーです。
その際に使われる有効成分としてはグリチルリチン酸ジカリウムという成分が有名です。

甘草という生薬として使われてきた植物から抽出される成分です。

もう1種類はフケの原因菌を退治する効果を持った薬用シャンプーです。

フケの原因菌というのはカビの一種で、マラセチア真菌(癜風菌)と呼ばれる菌です。
このマラセチア真菌の退治に効果があるとされる成分が「ミコナゾール硝酸塩」や「ケトコナゾール」「ピロクトンオラミン(オクトピロックス)」があります。

よくマラセチア真菌対策成分でミコナゾール硝酸塩は紹介されますが、ピロクトンオラミンはフケ原因菌に効くと分けて記載されていることが多いですが、フケ原因菌はマラセチア真菌のことなので、どちらも抗真菌効果があります。

ミコナゾール硝酸塩とケトコナゾールはどちらも「イミダゾール系抗真菌薬」という同じ系統の抗真菌剤です。

同じ抗真菌成分であるミコナゾール硝酸塩とピロクトンオラミンの違いとしては、ミコナゾール硝酸塩は特に白癬菌という頭皮白癬を引き起こす菌に効果的とされています。

ピロクトンオラミンは細菌やカビなどに効果的とされています。
どちらも抗真菌剤ですが、効果の対象に違いがあったりします。

脂漏性皮膚炎はマラセチア真菌が増殖してフケや炎症が起こるとされているので、抗真菌剤が配合された薬用シャンプーが一番良さそうですが、もちろん人によっては効果がありますが、人によっては副作用による皮膚炎が起こったりすることもあります。

効果が強いと副作用も強くなると考えておいた方が良いでしょう。

薬用シャンプーの使用を検討している場合には、まずどんなタイプの有効成分が配合されているかを確認してから選ぶようにしましょう。

洗浄成分をチェックする

薬用シャンプーといっても結局のところシャンプーです。

そのため、シャンプーの品質を大きく左右する洗浄成分にどのような成分が使われているかはとても重要です。

洗浄成分のことを界面活性剤と呼びます。
界面活性剤の効果を簡単にいうと水と油という本来は混ざらないもの同士を混ぜ合わせてしまう効果があります。

この作用によって頭皮や髪について皮脂汚れを洗い流すことができます。

そして界面活性剤には種類があります。

よくある種類分けとしては、

・硫酸系
・アミノ酸系
・ベタイン系
・石鹸系
・グルコシド系
・オレフィン系

が挙げれます。

イオンによる界面活性剤の種類分けもありますが、世の中でより認知されているのは上記のような系統分けになります。

上記でまず避けておきたい種類は硫酸系とオレフィン系の洗浄成分です。

硫酸系はラウリル硫酸Na、ラウレス硫酸Naなどがあります。
オレフィン系はオレフィン(C14-C16)スルホン酸Naです。

これらの洗浄成分が使われているシャンプーは避けておくと良いでしょう。

硫酸系やオレフィン系の洗浄成分は洗浄力や脱脂力が強く、頭皮への刺激も強く、タンパク変性も強い成分なので頭皮の乾燥を招いたり、刺激により頭皮がダメージを受け頭皮トラブルを招いたりなど頭皮環境を悪化させることにつながります。

硫酸系とオレフィン系を避ければ安心なのかというと、そういうわけでもありませんが、それだけでかなり良いシャンプーに巡り合う可能性が高くなります。

シャンプー全体の刺激をチェックする

シャンプー選びにおいては洗浄成分の種類がとても重要ですが、やはり洗浄成分以外の成分もシャンプーの刺激に関係してきます。

そのため、全成分に一通り目を通してより低刺激なシャンプーを選ぶと良いのですが、全成分に目を通して全ての成分について刺激が強いだの優しいだのを判断することはまず無理です。

そこでおすすめしたいのが、「刺激となる成分」が「どれだけ排除されているか」をチェックする方法です。

刺激の強い成分が入っていなければ、低刺激な成分で構成されている可能性が高くなります。

その際に確認すべきな項目が「無添加」です。

無添加シャンプーには無添加の対象となる成分が紹介されています。

よくある無添加の対象成分は

合成香料・合成着色料・鉱物油・エタノール・硫酸系界面活性剤・シリコン・パラベン・安息香酸塩、エデト酸塩・PGなどがあります。

上記の中で、合成香料の一部と硫酸系界面活性剤、パラベン、安息香酸塩、エデト酸塩、PGは旧表示指定成分に含まれるので、旧表示指定成分無添加なら上記を含めた102種類の成分が無添加という意味になりますので、旧表示指定成分が無添加になっているかどうかは最優先でチェックしておくことをおすすめします。

上記の3つのポイントを押さえて薬用シャンプーを選ぶことによって、有効成分による効果を得られながら、やさしく頭皮洗浄ができます。

ただし、薬用シャンプーは有効成分が入っている分、その他の成分が低刺激な成分であっても通常のシャンプーよりは刺激が強めな傾向がありますので、脂漏性皮膚炎対策として使うのは良いですが、特に脂漏性皮膚炎の悩みが起きていない状態での毎日使用はおすすめできません。

効果が期待できるからこそ、適切な使用法を心掛けましょう。

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