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脂漏性皮膚炎対策にはノンシリコンシャンプーがおすすめ?理由は?

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シャンプーという言葉には様々な形容詞が付いたりします。

その一つがノンシリコンという言葉です。

今から10年程前に一気に広まりブームとなったノンシリコンシャンプーですが、現在では大手メーカーの一部を除きシャンプーのスタンダードになりつつあります。

ブームの真っ只中でもシリコンについてきちんと認識していない方はたくさんいて、未だにそういったなんとなくノンシリコン派がいらっしゃると思います。

ということで、ノンシリコンシャンプーについて脂漏性皮膚炎対策の視点から見ていきます。

シリコンとは?

まずは最も基本的なところから始めましょう。

シリコンというものが何か?ということについてです。

というよりも、シリコンという呼び方自体がすでに誤りであり、
正しくは「シリコーン」です。

シリコンというのはミネラルの珪素(ケイ素)を意味します。
ノンシリコンシャンプーのシリコンはシリコーンのことで、シリコーンは珪素を含む有機化合物の重合体を指します。

シリコーンという成分の化粧品における性質ですが、

①美容効果はない
②髪や肌の表面をコーティングする
③コーティングによる保護効果がある
④シリコーン自体は髪や肌に無害

上記の4つが主となります。

ノンシリコンというのはシリコーンを配合しないという意味で、
ノンシリコンシャンプーはシリコーンを配合していないシャンプーを表しますが、いちいち無配合をアピールするということは、シリコーンは良くない物、悪者として認識されているということです。

上記のシリコーンの4つの性質を見て悪い物のように思うでしょうか?

特に美容面でメリットはなさそうですが、髪や肌に無害でコーティングによる保護をしてくれるということでシリコーンは悪い成分ではなさそうに思えます。

実際のところシリコーンはそんなに悪い成分ではないのです。

それなのにノンシリコンシャンプーが現代シャンプーのスタンダードとなりつつある背景にはノンシリコンシャンプーブームの火付け役となった企業や美容師の影響があると考えられます。

ノンシリコンシャンプーブームの前は市販シャンプーのほとんどがシリコーン入りのシャンプーでした。そんな中、サロンシャンプーはノンシリコンシャンプーが結構あったのです。

美容室で頭を洗ってもらう際に使うシャンプーはサロン専売シャンプーだったり、サロンでもシャンプーが売られていたりして美容師さんの説明によって徐々にシリコーンの存在が広がっていき、ノンシリコン押しのメーカーが出てきたことでブームに火が付いていったという流れがあったのでしょう。

シリコーンはさもめちゃくちゃ有害な成分であるかのように謳われたので、シリコーンを配合している大手メーカーは反論したりもしていました。

シリコーンが良くない理由としてシリコーン反対派の企業が謳っていたのは、

①シリコーンは毛穴に詰まる⇒抜け毛の原因に
②シリコーンは髪のキューティクルにひっついているので剥がれる際にキューティクルも一緒に剥がしてしまう。
③シリコーンでコーティングしてしまうと髪に栄養が入らなくなる

上記の3つの理由が主となります。

ただし、上記の3つの理由はいずれも否定意見もあったりして正直結論は出ないまま有耶無耶になっています。

個人的な意見としては、上記の3つの理由はないとは言い切れませんが、そこまで強い影響力があるとも思えません。

なぜなら、シリコーンは多くの基礎化粧品に配合されており、シャンプーのような洗い流すものではないので皮膚上に残ったままとなりますが、毛穴に詰まって毛が生えなくなったなんてことは聞いたことがないからです。

コーティングによって栄養が入らないというのも、それをいうなら基礎化粧品に配合されている美容成分はシリコーン入りの場合全て皮膚に届かないということになってしまいますよね。

キューティクルの件については、どっちが先かの話のような気がします。
シリコーンがキューティクルを剥がしたのか、キューティクルが剥がれて一緒にシリコーンも落ちたのか。

とまぁそんな色々と論争を巻き起こしたノンシリコンシャンプーですが、脂漏性皮膚炎対策にはおすすめなのでしょうか?

脂漏性皮膚炎対策はノンシリコンシャンプーがおすすめ

結論からいうと脂漏性皮膚炎対策に使うシャンプーはノンシリコンシャンプーがおすすめです。

理由は下記となります。

①シリコーンは髪のコーティング目的に使用するもので脂漏性皮膚炎に髪のコーティングは関係ないから
②シャンプーの使用目的は髪と頭皮の洗浄であり、コーティングなどの保護はトリートメントの役割なのでシャンプーには必要がないから

つまり、脂漏性皮膚炎対策であるかどうか関係なく、シャンプーは髪と頭皮の洗浄が目的なのでシリコーンによるコーティングは前提として不要なのです。

もしシリコーンを入れるのであれば、トリートメントやコンディショナーに入れましょうということです。

たまにトリートメント不要のシャンプーもありますが、そういったシャンプーには洗浄以外にも色々な美容成分や補修成分が入っていますが、結局のところトリートメント程の髪の美容効果を得ることは難しく、余計に配合成分が増えることで髪や頭皮への負担となるため、おすすめしません。

洗浄はシャンプー、美容・補修はトリートメントと分けて行う方が手間ですが、髪と頭皮のためになります。

脂漏性皮膚炎対策としておすすめのシャンプーは頭皮への刺激が少なく、頭皮環境を整えてくれるシャンプーです。

シリコーンが使われてきた理由の一つとして、コーティングによる手触りや感触の良さがあり、シリコーンを配合することで洗浄成分などで髪が多少のダメージを受けてもシリコーンで誤魔化せるなどの理由も少なからずありますので、本当に髪や頭皮にやさしいシャンプーであれば、シリコーンに頼る必要もなく、ノンシリコンシャンプーの方が良いのです。

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