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脂漏性皮膚炎は人にうつるの?実際のところどうなのか?

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乾燥する季節になると、急激に肌の抵抗力が低下して脂漏性皮膚炎になってしまう人が多くなります。

髪の毛の生え際や頭皮、耳の中や小鼻の周りなど様々な場所に発症する皮膚炎で、赤みを帯びたり痒みや炎症を引き起こす厄介な疾患です。

頭皮で症状が進行すればフケが非常に多くなるため、周囲の人からも不衛生な人だと誤解されかねません。

また、気になるのが発症している人から原因菌が感染して自分も脂漏性皮膚炎になってしまうのではないかという点です。実際のところ、この疾患は感染するのでしょうか。

ズバリ!脂漏性皮膚炎はうつるの?

結論から言うと、脂漏性皮膚炎は感染症ではないため他人にうつることはありません。

症状を引き起こしているのはマラセチア菌というカビの一種なのですが、これは誰もが常に持っている常在菌なのです。

何も症状が出てない人でもマラセチア菌自体はいつも肌に住んでいるため、感染するという心配はありません。

水虫やとびひなどのように、接触することで感染するのではないかと誤解している人が多いですが、もともと自分の身体に住んでいる菌なので感染するまでもないというのが実際のところです。

ただ、皮膚炎が悪化して肌の保護機能がかなり低下していると、ダメージの大きい部分から他の雑菌が侵入して化膿してしまうことがあります。

こうなると化膿している部分で黄色ブドウ球菌などが大量に繁殖し、それが他の部位に付着すればそこで感染を引き起こすことがあります。

自分はもちろん、免疫力が弱っている人にも感染する可能性がゼロではないので注意が必要です。

これはあくまでも化膿するほど悪化した場合で、一般的な皮膚炎に留まっていれば感染の危険はまずありません。

どうして脂漏性皮膚炎が発症するのか?

そもそも、脂漏性皮膚炎の原因菌が繁殖するのは、エサとなる皮脂の量が増えてしまうことが主な原因です。

通常、私たちの肌は外部からの刺激を防ぐために適度に皮脂を分泌して守っています。

しかし、乾燥やストレス、栄養不足など様々な原因が重なると保護機能が乱れ、皮脂が必要以上に大量分泌されてしまうことがあります。

適度な量なら、肌を守ったり善玉常在菌のエサになってくれるので良いのですが、過剰に分泌されれば話は別です。

肌を酸化させてアルカリ性に近づけてしまい、善玉菌が住みにくくマラセチア菌のようなカビ菌が住みよい環境にしてしまいます。

特にホルモンの影響で皮脂の分泌が盛んな男性ほどこの疾患を発症しやすいとされており、注意や毎日のケアが欠かせません。

また、女性の場合も化粧品が合わなかったり女性ホルモンの乱れで皮脂の分泌が過剰になってしまうことがあり、油断は禁物です。

男性でも女性でも発症する可能性があることを理解し、皮脂の量を適切に保つよう対策を行いましょう。

生活習慣の改善が必要

皮脂の量を抑えるのに効果が高いのは、やはり食事内容です。

脂っぽい食べ物を多く摂取すれば体内の脂質量が増加し、皮脂もどんどん作られてしまいます。

揚げ物や脂身の多い肉類の摂取を控え、野菜を中心としたヘルシーな食事に切り替えましょう。

また、ストレスを過剰に溜めこむことも良くないとされているので、適度な運動をしてストレスを発散することも大切です。

運動することで血行が促進されると、血液中の老廃物や脂質が押し流されて血液がサラサラになり、皮脂が分泌されにくくなるので脂漏性皮膚炎対策にも効果的です。

このように、脂漏性皮膚炎はもともと肌に住んでいる常在菌が原因となっているため、他の人にうつしたりうつされる心配はありません。

発症した場合は過剰に気にすることなく、少しでも症状を改善できるようにケアを心がけることが大切です。規則正しい食生活や生活リズムを意識し、患部を清潔に保つようにしましょう。

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