脂漏性皮膚炎の治療用として有名なニゾラールシャンプーとは?
脂漏性皮膚炎にはマラセチア真菌というカビの一種の菌が関係していると言われるようになってからはマラセチア真菌をやっつけるための抗真菌剤入りのシャンプーが注目を浴びるようになりました。
そして、抗真菌剤入りのシャンプーの話題になると必ずといっていいほどに出てくるのが「ニゾラールシャンプー(又はニゾラルシャンプー)」と呼ばれるシャンプーです。
ニゾラールシャンプーは日本で開発されたシャンプーではなく、海外製のシャンプーなので、基本的には日本では認可されておらず、海外からの輸入代行業者から購入するというのが一般的となります。
ここではそんなニゾラールシャンプーの特徴などについてみていきます。
ニゾラールシャンプーの特徴は?
抗真菌成分のケトコナゾールが2%配合されているシャンプーです。
ケトコナゾールは医薬品成分で、抗真菌効果があります。
白癬やカンジダ症に効くとされています。
そして、ケトコナゾールはマラセチア真菌にも効果を発揮するので脂漏性皮膚炎にも効果があると言われています。
さらに、ケトコナゾールはAGA(男性型脱毛症)の原因とも言われるジヒドロテストステロン(DHT)が作り出される工程を阻害するので、AGA対策としても効果があると言われています。
つまり、多くの男性が悩む脂漏性皮膚炎やAGAといった症状に対して効き目がある成分がケトコナゾールなのです。
ニゾラールシャンプーとニゾラルシャンプーを同じ扱いの別名称として販売している場合もありますし、ニゾラールシャンプーをニゾラルシャンプーのジェネリック医薬品シャンプーと紹介されている場合もあります。
ニゾラールシャンプーと検索しても様々なパッケージのものが出てきたりするので、ケトコナゾール配合のシャンプーをニゾラールシャンプーとかニゾラルシャンプーとして色々なメーカーが販売しているのかもしれませんが、詳細はわかりません。
また、ニゾラールシャンプーによく似た名前のニナゾルシャンプーというシャンプーもあります。これもジェネリックなんだそうです。
ジェネリック医薬品って何だろう?という方のために簡単に説明しておくと、ジェネリック医薬品は後発医薬品という意味があり、新薬の特許が切れた後に発売される新薬と同じ有効成分を使用し、同じような効果が得られる医薬品のことです。
価格的にもジェネリック医薬品の方が安くなります。
ただ、全ての成分が同じであるとは限らず、新薬の方では大丈夫だったけど、ジェネリックは合わないというケースも出てきますので、その辺りは注意が必要だと言えます。
ニゾラールシャンプーの副作用と使い分け
また、ニゾラールシャンプーは医薬品成分であるケトコナゾールが配合されているため、マラセチア真菌やカンジダ菌などの菌への抗真菌効果がある反面、強い成分でもあるため、副作用も起こる可能性があります。
肌の弱い方の場合はニゾラールシャンプーに含まれる成分そのものに負けてしまい、かゆみや炎症が生じる場合がありますので、注意が必要です。
皮膚科でも脂漏性皮膚炎の治療に当たってニゾラールシャンプーは二日置きに使用し、それ以外の日は低刺激なシャンプーを使用してくださいと指示されることもあります。
つまり、効果は期待できるのですが、やはり頭皮そのものには刺激の強い部類のシャンプーとなるため、治療期間中の短期使用に留めるということも大切となります。
脂漏性皮膚炎の予防対策の際にはニゾラールシャンプーを使用するのではなく、一般的な化粧品のシャンプーで低刺激なものを使用するのがおすすめです。ニゾラールシャンプーは普段使いは避けるべきシャンプーです。
ニゾラールシャンプーの成分について
ニゾラールシャンプーの成分について調べてみたのですが、まず全成分が出てきません。
ケトコナゾールという有効成分が2%配合されているということ以外は不明なことが多いです。
どのような洗浄成分が使われていて、保湿成分や防腐剤なども気になるところですが、基本的に海外のシャンプーですし、医薬品シャンプーに当たるため、全成分を記載していないということでしょうか。
ニゾラールシャンプーも色々種類がありそうですし、成分を調べるのは大変そうです。
もし、お手元のニゾラールシャンプーに成分が記載されている場合は、通常のシャンプー選びと同様、洗浄成分(界面活性剤)の種類だけは最低限チェックしておいた方が良いです。
硫酸系洗浄成分と言われる、ラウリル硫酸Naがメインとなっているとしたら、頭皮への刺激も強く、強力な脱脂力で頭皮乾燥にもつながる可能性があります。
シャンプー選びの肝は「洗浄成分」だということは忘れないようしましょう。