脂漏性皮膚炎に頭皮用化粧水はおすすめ?それともNG
皮膚炎には様々な種類があります。
日本でも悩んでいる人が多い脂漏性皮膚炎は、皮脂腺が多い頭皮や顔に起こりやすい皮膚炎です。
かゆみがあり、赤くなって皮膚が剥がれることもあります。
頭皮にできると、フケと勘違いする人も多いです。
異常があるのに放置していると、皮脂が酸化して嫌な臭いが発生することもあるので注意が必要です。
知っておきたい脂漏性皮膚炎の基礎知識
脂漏性皮膚炎は、生後3か月くらいまでの赤ちゃんや30歳以降の人に多く、大人になってから発症すると、慢性化するケースが多いです。
赤ちゃんの場合は、皮脂の分泌が多くて毛穴が未発達なので、分泌された皮脂が毛穴に詰まって皮膚が炎症を起こします。
一方、大人の場合は、未だに原因がわからない部分も多いです。
有名なのは、Malassezia(マラセチア)という真菌が原因だという説です。
Malassezia(マラセチア)は、皮膚にいる常在菌ですが、皮脂が多い環境で異常に繁殖すると、代謝物によって炎症を引き起こすと言われています。
皮脂の分泌が過剰だと、皮脂が多い環境を好む真菌が繁殖します。
男性の場合、男性ホルモンによって皮脂の分泌が促されるので、脂漏性皮膚炎の患者が多いです。ただ、ホルモンバランスの乱れなどから女性の患者も珍しくありません。
ストレスやビタミンB不足、生活習慣の乱れなども脂漏性皮膚炎の原因になると考えられています。
大人になって脂漏性皮膚炎にかかった場合、初期の頃はフケと間違える人が多いこともあり、重症化してから皮膚科に行って治療を受ける人も少なくありません。
頭皮のフケが多くなったように感じた場合は、できるだけ早く医師の診察を受けて治療を開始することが大事です。
脂漏性皮膚炎の一般的な治療法とは?
治療は、炎症を抑えるためのステロイド外用薬と真菌の増殖を抑えるための抗真菌薬を使って治療していきます。
かゆみが強く出ている場合は、抗ヒスタミン剤やビタミン剤も使います。
薬による治療に加えて、自宅でセルフケアを行います。
皮膚を清潔にするために、毎日入浴時に優しく洗います。
栄養バランスの良い食事を心がけ、ビタミンB群が足りない場合は、サプリメントなどで補います。
独身男性の場合、食生活が乱れている人が少なくありません。
偏った食生活を続けていると、皮脂の分泌が過剰になってしまうことがあるので注意が必要です。
睡眠も重要なので、規則正しい生活を送り、質の良い睡眠を取るようにします。
薬によって皮膚炎の症状が良くなっても、真菌が増殖しやすい環境だと、再発するリスクが高くなります。
何度も皮膚炎が再発する場合は、生活習慣を見直すことも大事です。
シャンプーが原因で皮膚炎を起こす人もいるので、シャンプー選びも重要です。
洗浄力が強いと、必要な皮脂まで取り除いてしまいます。
皮脂を取りすぎると、かえって皮脂の分泌が多くなり、炎症の原因になることがあります。
ですから、必要な皮脂は残してくれる洗浄力の優しいシャンプーを選ぶことが大事です。
紫外線は、頭皮の刺激になります。
外出する場合は、帽子や日傘を使って紫外線から頭皮を守った方が安心です。
日本はストレスが多い社会で、ストレスでホルモンのバランスを崩している人も多いです。
ホルモンバランスが崩れると、男性ホルモンの働きが活発になり、皮脂の分泌量が増えます。
皮脂の分泌量が増えると、皮膚が炎症を起こす可能性も高くなります。
脂漏性皮膚炎に頭皮用化粧水を使うのは?
最近は、育毛目的や頭皮の保湿ケアなど頭皮環境を整えるために頭皮用化粧水を利用している男性が増えています。
頭皮用化粧水は、頭皮を清潔に保ち栄養を与えてくれますが、頭皮に皮膚炎がある場合は避けた方が安心です。
頭皮が炎症を起こしている場合は、皮膚科で処方してもらった治療薬を使って皮膚炎を治すことが先決です。
頭皮の状態が健康になったら、頭皮用化粧水も使えるようになります。
脂漏性皮膚炎の治療時は使用を控えた方が良いですが、脂漏性皮膚炎が完治した後は、頭皮環境が悪化して脂漏性皮膚炎が再発することを防ぐための予防ケアとして頭皮用化粧水を活用されると良いでしょう。