脂漏性皮膚炎に海遊びはNG?脂漏性皮膚炎と海水に関するウソ・ホント
頭皮がフケっぽいからとシャンプーを変えたり洗浄のやり方を見直してみたけれど治らないで悩んでいる方いませんか。
顔や胸・背中がカサカサするので乾燥肌かもと化粧品を変えたり、保湿をしたりしても改善されないことだってあります。
なぜならそれは、脂漏性皮膚炎という病気かもしれないからです。
その原因となるのがマラセチア菌という菌です。
マラセチア菌とは?
だれかから移されたというのではなく人間の皮膚には常にいる常在菌の一つです。
これが異常増殖することで皮膚の炎症が起こるのです。
マラセチア菌は皮脂を栄養源としているため、皮脂腺の多いこういったところに発生するというわけです。
マラセチア菌はホルモンバランスの乱れやストレス・ビタミンBが不足したり、洗浄のしすぎやしきれずに石鹸分などが残ったときなどに増殖しやすくなります。
日常生活を正し、正しい洗顔・洗髪を行うことも大切です。
特に男性は男性ホルモンが増えることで皮脂分泌が増えやすく、女性以上に発症しやすいため要注意です。
一度発症すると、乾燥肌と似ているからと保湿化粧品を多く使用することでその油分や添加物で菌が更に増殖し、症状が悪化することに。
かゆみがあるからと掻くと余計に肌荒れしてしまうし悪循環を引き起こすことになります。
もしかして、と思ったら皮膚科を受診し、脂漏性皮膚炎の場合は炎症を抑えるステロイド剤とマラセチア菌に対抗するための抗真菌剤を処方してもらいましょう。
海遊びが脂漏性皮膚炎を悪化させる?
夏場、海水浴は楽しかったけれどその後の肌荒れに悩まされたという経験はないでしょうか?
真夏の日差し・紫外線ももちろん問題ですし、更には塩分やミネラル・微生物・汚れなどさまざまなものが含まれた海水で体中が洗われることで皮脂が落ちていって乾燥肌になっていってしまうからです。
元々、乾燥肌でお肌が荒れてしまっている方だと塩水が染みて痛みもあるのではないでしょうか。因幡のウサギ状態です。
できればお肌が改善するまでは海水浴はやめておいた方が無難です。
ただ、脂漏性皮膚炎の場合は、乾燥肌に見えて原因はマラセチア菌。
塩水によってお肌の表面が乾いてもあまり関係なさそうに思えます。
実際、皮膚科においても積極的に海水浴を控えるよう指導はしていないのです。
インターネットで調べると逆に皮膚炎が改善されたという声もあるのです。
とはいえ、湿疹がひどくなったという人もいるのが事実です。
どちらになるかは個人差が大きいため、できれば完治するまでは避けておいた方が無難でしょう。
もしも行くとしても、頭皮に発症しているのであれば頭は漬けないようにする、帽子や上着で紫外線を防ぐ、塩水の中には入らず砂浜でボール遊びするなど雰囲気だけを楽しむ、もしも入ったならその後はシャワーでしっかりと洗い流すなど対策をするようにしてください。
海遊びが脂漏性皮膚炎に良くない!良い!と意見が分かれるのはなぜ?
病院でも完全に「行ってはいけない」と禁止されることはなく、インターネットにおいても良い悪いの情報が錯誤している背景には、「タラソテラピー」という治療法があるのではないでしょうか。
気管支喘息やアトピー性皮膚炎に特に効果があると言われ、フランスでは一部の施設に保険制度が適用されるほど効果が認められているのです。
海の水や泥を使って体の内側から活性化させるというこの療法、自然や気候も楽しみながら、ストレス解消や美容・生活習慣病予防・スポーツの後のコンディショニングに使われることもあります。
海外だけでなく、最近では日本でも沖縄などにタラソテラピー施設というのができているのです。
ホルモンバランスの乱れやストレスがマラセチア菌を増殖させます。水自体がきれいなところで、ゆったりとリラックスした状態で楽しむのであればよい効果があるのかもしれません。