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脂漏性皮膚炎とは?治らない病気なの?

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脂漏性皮膚炎は体質だから治らないといわれることがあります。

例えばインターネットの掲示板には「皮膚科の病院に通っていても治らない」「長期間治療しているけれど改善しない」などの体験談が多く載せられています。

しかし、現代医学の発展により脂漏性皮膚炎は治らない病気ではないということが徐々にわかってきています。
では脂漏性皮膚炎を治すにはどのような治療が必要なのでしょうか?

メカニズムを知ることが第一歩

脂漏性皮膚炎の原因のひとつとして、マセラチア菌という真菌の一種が異常繁殖することで炎症が引き起こされるというものがあります。

通常はバクテリアなどから皮膚を守る働きをするマセラチア菌ですが、異常繁殖により脂肪酸を作成することで皮膚が過剰に反応し、脂漏性皮膚炎の発症の引き金となります。

マセラチア菌が異常繁殖する要因として、油の多いまたは刺激の強い食事や睡眠不足、ストレスや紫外線などが考えられています。

人により、顔や頭皮、身体など様々な部位に発症しますが、その症状もまた様々です。

アトピーと似ている症状ですが、皮がぽろぽろと剥ける点が異なります。

鼻やTゾーン、生え際、口の周りなど皮脂の出やすいところに痒みを伴う炎症が起き、皮膚が赤くなります。

また、頭皮に発症する場合は赤み、炎症、かゆみの他に大量のフケが出ることもあります。

その際にAGA(男性型脱毛症)も引き起こされるのでは?と心配されるかもしれませんが、発症の原因がそれぞれ違うため誘発することはありません。
しかし、併発することはありえます。

その場合には育毛剤が弱った頭皮に悪影響を及ぼすことが考えられるため、まずは脂漏性皮膚炎の治療を行い、頭皮を正常な状態に戻してからAGAの治療に進みましょう。

お肌の状態は季節に左右されやすい

肌の状態について、特に注意する季節があります。
それは夏です。

紫外線は通常でも肌に強いダメージを与えますが、脂漏性皮膚炎を発症してバリア機能が低下している皮膚には刺激がより強く働き、皮膚の炎症、赤みを悪化させてしまうからです。

さらに、気温が上がって汗をかくことでさらに刺激が増してしまいます。

エアコンで冷えすぎた空気や乾燥も肌トラブルの原因になりがちなので、とくに注意が必要といえる時期といえるでしょう。

専門医との二人三脚で治療に取り組む

治療の根幹は皮膚科など専門医を受診することです。

脂漏性皮膚炎は頭皮や顔など、様々な場所に発症しますが、他の病気の合併症としても起こることがあります。
まずは自分の発症原因を突き止めることが肝要なのです。

脂漏性皮膚炎が治らないと思われている原因は、病因がはっきりしていないこと、生活改善など長期的なスパンでの治療となるため「治らないもの」と治療の継続を諦めてしまうことが大きいのです。

医師の処方に従い、自分の生活を正して治療を根気よく続けていくことで根本治療を目指すことが必要です。

薬剤での治療と並行して、まずは自身の生活を見直してみましょう。

少しずつでも改善が進めば、必ず体質に変化が訪れます。

肌の再生と維持に重要な働きをする栄養素がビタミンB2、B6と言われています。

ビタミンB2が不足することで皮膚が酸化して炎症を起こしやすくなりますし、ビタミンB6は肌の新陳代謝を助けます。

サプリメントなどでの補給もいいですが、食事から摂取するのが一番です。

おかずに納豆を一品追加するなど、小さなことから意識していきましょう。

また、コーヒーや紅茶などに含まれるカフェインは皮脂の分泌を促します。

コーヒーが好きで一日大量に飲むという方は一日一杯にするなど、ある程度抑えるように心がけましょう。

睡眠も成長ホルモンが多く分泌される23時から2時の間に取るようにするなど、ひとつずつ地道に改善していくことが大切です。

専門医での治療、生活態度の改善といった多元的なアプローチが、根本改善、良好な結果を得ることにつながります。

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