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脂漏性皮膚炎がエイズと関係しているって本当?その理由は?

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脂漏性皮膚炎とは頭皮によく起こる湿疹や炎症のことで、これにかかると皮膚がボロボロと剥がれてきてしまいます。

さらに、かゆみが伴ったり、頭皮が赤くなることもあるので非常に厄介な病気です。

イメージで言うと、フケがたくさんボロボロと落ちてくる様子とよく似ています。
その名の通り、皮脂が多く分泌されているところに発症することが多いです。

そのため、頭皮だけでなく脇や額、鼻などといったところにも発症します。

実はこの病気、エイズにかかっている人ほどかかりやすいと言われています。

エイズとは?

まず、初めにエイズとはどういう病気なのか説明しておく必要があります。

エイズというのは後天性免疫不全症候群のことです。

ヒト免疫不全ウイルス「AIDS」というウイルスが体の中に入り込むことにより、体に悪さをするようになります。

ヒトというのは免疫力があることによって、様々な場所に散らばっているウイルスから身を守ることが出来ます。

冬によく起こる風邪やインフルエンザといった病気はこの免疫力がしっかり備わっているのかどうかで発症する確率は大きく変わってきます。

AIDSというのはこの免疫力に関わっている細胞を破壊する作用があるため、この病気を発症すると徐々に体から免疫力が失われていき、普通の状態ならかかるはずのない病気も簡単に発症してしまうようになります。

これがこの病気の恐ろしいところです。
この免疫力が低下するというところを覚えておいてください。

脂漏性皮膚炎のメカニズム

次に、脂漏性皮膚炎の原因についてです。

この病気にかかりやすいのは乳児や20代から30代の人です。

元々、乳児というのは皮脂が過剰に分泌されるものですからよく起こりやすく、たとえ発症したとしてもそこまで大きな問題になりません。
年を重ねていけば自然と症状は収まります。

問題は大人になってから発症した人です。

元々、人間の体には常在菌というものが存在します。

要するに、体は無菌というわけではなく常に菌に晒されているということです。

その中のマラセチアという菌の好物が皮脂で、それを取り込んで遊離脂肪酸というものを過剰に排出するようになります。

頭皮というのは非常に繊細なものですから、脂肪酸のようなものを浴びると炎症を起こしてしまいます。

その結果、早く治そうと頭皮がどんどん入れ替わっていって、皮膚がボロボロと剥がれ落ちる原因となります。

なぜ、この普段は影響のないマラセチアという菌が活発に活動するようになったのか、これに大きく関わってくるのが免疫力です。

何かの拍子で免疫力が低下してしまうと、この菌がどんどん繁殖してしまうというわけです。

脂漏性皮膚炎とエイズの関係

さて、ここでエイズの話に戻ります。

先程も述べたようにエイズの一番の問題点は免疫力の低下です。

だからこそ、脂漏性皮膚炎とこの病気は大きく関わってくるというわけです。

HIV患者の実に50%程度が脂漏性皮膚炎を発症しているといわれています。

逆に患者ではない人の場合は5%程度なので、どれだけ大きく関わってくるのかがよくわかると思います。

そのため、脂漏性皮膚炎になるとエイズではないのかと心配してしまう人も結構います。
ただ、それだけで判断するのは時期尚早です。

例えば、初期症状としてインフルエンザのような高熱に見舞われるというものがあるので、この症状が現れたかどうかで判断するという手もあります。

必ずしもこの症状が現れるとは限りませんが、一つの目安にはなります。

また、免疫力が低下すれば日常生活にも支障が出てくるので、そこからも判断することも可能です。ですので、過剰に反応しないようにしましょう。

もしも、心配な場合は保健所で無料で検査をしてもらえるのでお願いしてみるといいでしょう。

どちらにせよ、脂漏性皮膚炎が発症したら、食生活の改善がとても重要です。

ビタミンが豊富な緑黄色野菜を摂取したり、脂っこいものを控えるようにしましょう。
それが治療への近道です。

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