脂漏性皮膚炎から頭皮を守る日々のシャンプー選びポイント3つ
脂漏性皮膚炎になるとフケは出るし、炎症が起こり、痒みなども発生し、見た目にも精神的にも肉体的にもツラい思いをしてしまいます。
そんな脂漏性皮膚炎はできれば未然に防ぎたいですよね。
脂漏性皮膚炎の予防対策には抗真菌剤が入った薬用シャンプーは必要ありません。
心掛けるべきは日々行う洗髪時に頭皮をいたわりながらもしっかりケアできるシャンプー選びです。
ここでは脂漏性皮膚炎から頭皮を守るために知っておきたいシャンプー選びのポイントを3つ紹介します。
最重要!洗浄成分の確認
毎日使うシャンプーの選び方は脂漏性皮膚炎対策用の薬用シャンプー選びとは異なります。
脂漏性皮膚炎対策としての薬用シャンプーを選ぶ場合には「効果」ありきです。
抗真菌成分や抗炎症成分などの効果を期待して使用するわけで、効果がないと使う意味もありません。ですが、効果があるということは副作用的なデメリットというリスクも多かれ少なかれ生じます。
そのため、薬用シャンプーの場合は短期使用を想定して使う必要があります。
一方、通常のシャンプーを選ぶ際にはもちろん薬用シャンプーのような効果もありませんし、毎日使うものなので選ぶ際に重視すべきポイントが違います。
デイリー使いのシャンプーを選ぶ際には洗浄力は当然として頭皮や髪へのやさしさが最も重要となります。
頭皮や髪への優しさを考える際、まずは洗浄成分を確認しましょう。
理由は洗浄成分はシャンプーに配合される成分の中で水の次に配合量が多くなる場合がほとんどで、その分、髪や頭皮への影響が大きくなるからです。
では洗浄成分の何を確認したらいいかというと、
「種類」です。
洗浄成分のことを界面活性剤と呼びますが、
ラウラミドプロピルベタイン、ココイルグルタミン酸TEA、ココイルアラニンTEA、デシルグルコシド、ラウレス-4カルボン酸Na、ココイルメチルタウリンNa、ラウリル硫酸Na、ラウレス硫酸Na、オレフィン(C14-C16)スルホン酸Na、石ケン素地
上記は界面活性剤のごく一部ですが、このようなたくさんの種類があります。
これらの界面活性剤はさらにタイプ別に分けることができ、
ベタイン系:ラウラミドプロピルベタイン
アミノ酸系:ココイルグルタミン酸TEA、ココイルアラニンTEA
グルコシド系:デシルグルコシド
石鹸系:ラウレス-4カルボン酸Na
タウリン系:ココイルメチルタウリンNa
硫酸系:ラウリル硫酸Na、ラウレス硫酸Na
オレフィン系:オレフィン(C14-C16)スルホン酸Na
石鹸:石ケン素地
上記のような分け方が一般的によく用いられていて、ベタイン系の多くは成分名にベタインと入っていたり、アミノ酸系は成分名にアミノ酸名が入っていたりなどして分かりやすいのが特徴です。
ちなみに石鹸系と石鹸の何が違うの?思われるかもしれませんので、簡単な違いを説明しておくと、石鹸というのはアルカリ性質でしか機能しません。一方、石鹸系の場合は弱酸性の環境下で機能するという違いがあります。
前述のタイプ別に分けた界面活性剤の中で「やさしさ」を考慮した際に避けたい成分は
硫酸系とオレフィン系です。
硫酸系とオレフィン系は洗浄力・脱脂力・刺激が高く、毎日使用していると頭皮が乾燥して乾燥性のフケが出たり、頭皮乾燥によって頭皮のバリア機能が壊れ頭皮湿疹が起こったり、頭皮乾燥と頭皮に存在しているセラミドやヒアルロン酸などの潤い保持成分が流出することにより過剰な皮脂分泌を招くなど様々な頭皮トラブルを招く要因となります。
硫酸系とオレフィン系以外なら頭皮に対して低刺激かというとそうとは言い切れませんが、この2タイプの洗浄成分を避けるだけでも8割がた低刺激なシャンプー選びに成功したと言えます。
無添加の内容を確認
無添加シャンプーと呼ばれるシャンプーがあります。
ですが、この言い方はとても誤解を招きやすい表現で、無添加シャンプーなら全て低刺激と思ってしまいがちですが、全然そんなことはなく、無添加の内容がとても重要です。
洗浄成分をチェックした後はそれ以外の全成分に目を通し、髪や頭皮への刺激となる成分が入っていないかを確認しましょう。
シャンプーに使われる成分すべての知識をつけることは難しいですが、よくある無添加の対象となる代表的な成分を把握することはある程度可能です。
頭皮や髪への負担となる成分として挙げられるのは、
合成香料・合成着色料・鉱物油・エタノール・シリコン・パラベン・安息香酸Na・PG・エデト酸塩・TEA・DEA・旧表示指定成分
等があります。
シリコンはノンシリコンシャンプーブームで注目を浴びましたが、シリコン自体が髪や頭皮への負担となることはほとんどありません。一応、コーティング剤であるシリコンが頭皮の毛穴に詰まるとか、髪にひっついたシリコンが剥がれる際にキューティクルを一緒に剥がすなどがシリコンフリーを推奨する理由として挙げられています。
パラベンや安息香酸Na、PG、エデト酸塩・TEA・DEAなどは旧表示指定成分と呼ばれる現在の全成分表示が義務化される前の化粧品において表示義務があった102種類の成分に含まれます。
なので無添加の内容にパラベンとPGしか書かれていない場合はエデト酸や安息香酸Naは使用されている可能性がありますが、旧表示指定成分が無添加となっている場合はパラベンやPGをはじめ102種類全て含まれていないことを示しています。
もちろん、おすすめは旧表示指定成分が無添加となっているシャンプーです。
頭皮や髪への負担となりえる成分はなるべく排除するという考えが日々使うシャンプー選びでは大切です。
全成分数はなるべく少ないシャンプーがおすすめ
洗浄成分を確認し、全成分の中で頭皮や髪への負担となる成分が排除されているかを確認した後、同じような内容のシャンプーがある場合には成分数が少ないシャンプーを選ぶことをおすすめします。
理由としては、
配合成分が少ない方が、シャンプーに含まれる成分がアレルギー反応を引き起こす可能性が低くなるからです。成分によっては肌に合わないなども出てきますので、配合成分が少ない方がそのようなリスクを軽減することができます。
基本的にはシャンプーは髪と頭皮の洗浄が目的です。
髪への栄養というのはトリートメントで行うことが一般的となります。
トリートメント不要のシャンプーとして栄養成分や毛髪補修成分がたっぷり配合されたシャンプーもありますが、正直それほど髪に栄養を与えたり、毛髪補修したりはできません。
洗浄と髪のケアが両方できるというのはありがたいことですが、結局のところ、オールインワン化粧品よりも化粧水や美容液、乳液を分けて使う方がケアとしてのレベルが高くなるのと同じでシャンプーは洗浄、トリートメントは栄養補給と分けてケアした方がケアのレベルとしては高くなります。
【番外編】オーガニックやボタニカルは気にしなくて良い?
一昔前はノンシリコンシャンプーがブームでした。
オーガニックシャンプーは今も根強く人気があり、最近はボタニカルシャンプーが流行りです。
最近のシャンプーはノンシリコンシャンプーがスタンダードになりつつありますが、オーガニックシャンプーやボタニカルシャンプーは本当に髪や頭皮に優しいかというと全然別問題です。
オーガニックやボタニカルを謳っているシャンプーの中には前述した無添加になっていることが好ましい「旧表示指定成分」が配合されているシャンプーもたくさんあります。
それにオーガニックやボタニカルは結局、植物を表していますが、植物由来の成分だから髪や頭皮にやさしいというのは単なるイメージであり、本当に植物由来成分だけが髪や頭皮にやさしいわけではありません。
植物由来でも髪や頭皮の負担となる成分はありますし、人工的に作られた成分でも髪や頭皮にやさしい成分はあります。
大切なことはオーガニックやボタニカルというやさしそうな響きを鵜呑みにするのではなく、しっかりと成分を確認して低刺激シャンプーを選び抜くことです。