妊婦が脂漏性湿疹になりやすい理由とは? - 脂漏性皮膚炎(脂漏性湿疹)ケアナビ

脂漏性皮膚炎(脂漏性湿疹)ケアナビ > 基礎知識 > 妊婦が脂漏性湿疹になりやすい理由とは?

妊婦が脂漏性湿疹になりやすい理由とは?

Pocket

妊婦に起こりやすいトラブルの一つとして、脂漏性湿疹があります。

これは、乳児によく見られる乳児脂漏性湿疹とは別のものです。乳児脂漏性湿疹は数カ月もすれば自然と治りますが、成人の脂漏性湿疹は非常に治りにくく、やっかいな皮膚疾患のひとつです。

ここでは成人の中でも妊婦の脂漏性湿疹に関してみていきます。

脂漏性湿疹について

脂漏性湿疹とは脂漏性皮膚炎とも呼ばれ、皮脂が多く分泌される場所(頭皮や鼻の周辺など)を中心に起こりやすい皮膚炎。マラセチア真菌の異常繁殖により起こります。

マラセチア菌自体は、常在菌として頭皮を健康に保つ大事な存在です。

しかし、皮脂が多く分泌されるとそのバランスが崩れ、頭皮を傷つける細菌がふえます。
それが炎症を起こすことで痒みがあらわれるのです。

頭皮が湿った状態が続くと繁殖しやすくなりますので、洗髪後の自然乾燥はおすすめできません。

妊婦が脂漏性皮膚炎になりやすい理由について

なぜ、妊婦に起こりやすいのか?それは妊娠によるホルモンバランスの乱れや、生活環境の変化、睡眠不足や偏った食生活、ストレスなどが原因で皮脂の分泌が多くなるからです。

マラセチア菌のエサは皮脂。
つまりマラセチア菌が増殖しやすい環境になってしまうのです。

また、妊娠中は体温が高く汗をかきやすくなります。
それによって、頭皮に皮脂が溜まりマラセチア菌が異常繁殖してしまい、脂漏性湿疹を引き起こすのです。

脂漏性湿疹が起こりやすい部位は、頭皮・耳の後ろ・わきの下・足の付け根・顔(特に鼻の周り)などで、皮脂の分泌量が多いところです。

かゆみを伴い、赤くなったり皮膚が荒れてかさつき、鱗のようにはがれてくる場合もあります。

頭にできた場合は頭皮がかさぶたとなって剥がれ落ちるもので、フケと勘違いしてしまう方も多いようです。

対処せず放置すると、皮脂が酸化してしまい加齢臭のようなニオイを放つ原因にもなるようです。さらに重度の炎症を起こすと、脱毛してしまうケースもあります。

妊婦が脂漏性湿疹になったら?

脂漏性湿疹は、治りにくい皮膚疾患ですが、皮膚科に行けば治らないというわけではありません。

しかし、慢性化しやすい病気であり、悪化してしまった場合は相応のリスクを負うことになります。安易に自己判断するのではなく、皮膚科を受診し医師に相談の上、治療していきましょう。

また、脂漏性湿疹の治療法は、妊婦の場合は胎児への影響を考え、飲み薬ではなく塗り薬の処方になるでしょう。

しかし、脂漏性湿疹の改善は炎症を抑える薬だけでは困難だと言われています。
薬による治療と並行して、日常生活で下記のようなセルフケアを行うことが大切です。

・患部の清潔を心がけ、しっかり洗う。(ただし、こすりすぎや洗いすぎ、逆にすすぎ残しには注意)
・ビタミンB群を意識し、バランスの良い食生活を目指す。
・規則正しい生活と十分な睡眠をとり、ストレスや疲れを溜めないようにする。
・紫外線による刺激を避ける。

大切なことは、患部を清潔に保ち、皮脂が残らないようにすることです。

また、患部に刺激を与えることにより、悪化させてしまう傾向があるため、頭皮であれば、ヘアトニックやヘアワックスといった整髪料の使用は控え、シャンプーも専用のものに変えることをおすすめします。

もちろん、物理的に掻くことなどの刺激も悪化の原因となりますので注意が必要です。

薬の効果により一時的に改善しても、再発しやすい環境のままでは完治しません。
日常生活の改善を心がけ、完治をめざしてケアを継続していくことが必須になります。

脂漏性湿疹が完治するまでの期間は、顔で2~3週間、頭皮で4~6週間と言われています。

重症度にもよりますが、少々長くかかる印象です。しかし、この期間、根気よく治療を続ければ、十分完治させることは可能ですので、途中で諦めず治療していきましょう。

関連記事