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フケ、においが気になる。その症状……脂漏性皮膚炎かも?

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どうも最近、フケが多い気がする。ちゃんと洗っているのににおいがするような……それはもしかしたら、脂漏性皮膚炎かもしれません。

ここでは症状や表れる部位などから脂漏性皮膚炎についてみていきます。

脂漏性皮膚炎はどんなとこにできやすく、どんな症状?

頭皮のほか、まゆ毛や鼻の両脇、首回りや脇の下など、身体のべたつきやすい部分は脂漏部位と呼ばれ、特に皮脂の分泌が盛んな場所です。

脂漏性皮膚炎とは湿疹の一種で、これらの部位が炎症を起こす病気のこと。

肌の表面が赤くなって細かくはがれ落ちるのが共通した症状で、フケが多くなるのもこのためです。

症状が進むとかゆみが出始め、さらに悪化するとかさぶたができたり、痛みを感じるようになります。

やっかいなことに、一度症状が出てしまうと慢性化しやすく、自然には治りにくいので、自覚症状が出た場合は早めに医師の診察を受けることが大事です。

脂漏性皮膚炎の原因は?

脂漏性皮膚炎の原因はまだはっきりとわかってはいませんが、遺伝子や環境、精神的なストレスが関係していると見られています。

皮脂はほぼ全身に存在する皮脂腺から分泌され、皮膚の表面をコーティングする皮脂膜を作り出すことで殺菌力を生み出し、有害物質や細菌から身体を守る、重要な役目を持っています。

この皮脂の成分の一つ、トリグリセリドは、人の皮膚に常在し、皮脂を好むマラセチア(真菌。カビの仲間)などによって遊離脂肪酸に分解されるのですが、最近の研究では、この遊離脂肪酸が皮膚を刺激し、脂漏性皮膚炎を引き起こす場合があることや、またマラセチアが皮脂の過剰分泌により異常繁殖することで炎症が進み、悪化する事がわかってきています。

皮脂の分泌を促すのは男性ホルモンの役目であるため、患者には男性が多いのですが、生活習慣の乱れやストレスでホルモンのバランスが崩れることで、女性が発症することももちろんあります。

また、間違った洗髪方法により、症状が引き起こされる場合もあります。

脂漏性皮膚炎の治療法

脂漏性皮膚炎の治療には、抗炎症作用を持つステロイド剤の服用が効果的とされ、部位により、軟膏やローションが処方されます。
効果は短期間で現れます。

また、ステロイドには皮膚が薄くなるなどの副作用があるため、長期の使用は好ましくありません。

ところが、脂漏性皮膚炎は症状が改善したとしてステロイドの服用を中止すると、時間をおいて再び症状が現れることがあります。

その場合、マラセチアの存在を考え、抗真菌剤が処方されます。

こちらはステロイドと比べると効果が表れるまで時間がかかりますが、副作用はほとんどありません。

また、赤みとかゆみの両方が強い場合には、最初からステロイドと抗真菌剤が併用されることもあります。

そのほか、皮脂を抑える働きを持つとされる、ビタミンB2やB6が内服薬として処方される場合があります。

脂漏性皮膚炎の完治には生活環境の見直しが必須

しかし脂漏性皮膚炎の根本的な治療には、日常生活の乱れを整えることが大切です。

また、脂漏性皮膚炎はそれだけでかなり予防のきく病気でもあります。

まず、適切な洗顔、洗髪方法により、脂漏部位を常に清潔に保つこと。

シャンプーには、抗真菌剤が含まれたものが市販されていますので、医師に相談の上で使用して下さい。

皮脂を抑えるビタミンB群を多く含む食材を毎日の食事に取り入れることも大切です。

牛乳や卵、レバーやしじみなどを積極的に摂るようにして下さい。
野菜ではホウレン草やトマト、キャベツなどに多く含まれています。

逆に、皮脂の分泌を高める食品をできるだけ避けます。脂肪の多い食品や糖分の高いもの、刺激の強いコーヒー、アルコール、スパイスは控えめに。

ホルモンの分泌を正常に保つには、ストレスや疲労をためないようにすること。

そして何より睡眠が大切になります。
規則正しい生活を送り、十分な睡眠がとれるよう、心がけるようにしましょう。

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