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ひどい痒みを伴う脂漏性皮膚炎は皮脂と常在菌の乱れで始まる!原因と対策は?

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脂漏性皮膚炎の説明には必ずといって出てくる「皮脂」と「常在菌」というワード。

ここでは脂漏性皮膚炎が起こるメカニズムを皮脂と常在菌に注目してみていきます。
さらにはどうして皮脂分泌や常在菌バランスが乱れるのか、その原因と対策についても紹介します。

皮脂と常在菌から見る脂漏性皮膚炎のメカニズム

脂漏性皮膚炎は脂と書かれているように、赤く腫れあがって痒みを起こす以外で皮膚に粘着性の脂がついたようにべたべた引っ付くような感覚を起こすものです。

通常の皮膚炎でもしつこい痒みが続くことが不快なのに、脂漏性皮膚炎はべたべたと引っ付く感覚が付きまとうことでより不快感が増大します。

その脂漏性皮膚炎の原因は、人間が皮膚を守るために分泌する皮脂の過剰分泌とそれに伴い増殖する皮膚に元々存在する常在菌の存在です。

皮膚はケラチンと呼ばれる物質と弾力のあるコラーゲンそして水分と体内から分泌される皮脂によって構成されています。

この皮膚の役目は体内に侵入しようとする雑菌やほこりを払いのけることです。

最初に大きい物質は毛で払いのけることができますが、
毛よりも小さいものは払いのけることが出来ないです。

そこで毛の払いのけを免れた小さい物質を、今度は角質が皮脂のバリアを使って払い落とすという役目を担わせています。

そのため角質は水分と皮脂の絶妙のバランスで成り立たせることで身を守ってくれているのです。

しかし皮膚は第3の脳といわれるほど体の状態をあらわす器官です。

角質は脳からの指令を受けて、常に一定の水分と皮脂を分泌して状態を保とうとします。

ただ脳の指令のバランスが一度でも崩れてしまうと、正常な量で分泌されるはずの皮脂が大量に分泌される事態になるのです。

その原因が性別問わずに体中をめぐっている男性ホルモンです。

男性ホルモンは体中をめぐり脳からの指令を適切に伝えて実行させる役目を担います。

しかし男性ホルモンは厄介な代物で、食生活の乱れやストレスそして生活習慣の乱れが積み重なると甲状腺から多く分泌されてしまい過剰に働いてしまいます。

この男性ホルモンが毛穴にある皮脂を分泌する器官に強く作用すると、本来必要ではない皮脂を分泌してしまいます。

ただ皮脂を過剰分泌しただけではベタベタするだけで痒みを伴うことはないです。

次は過剰分泌された皮脂に群がる常在菌が関係します。

皮膚の中には人間と共生する微生物がたくさんおり、その中の一つがマラセチアです。

マラセチアは皮膚の中にいるカビの一種で、人間の皮脂を分解し食べることで皮膚の皮脂バランスを整えてくれる微生物です。

本来余分な皮脂を食べるので良い役目を担ってくれるマラセチアですが、男性ホルモンの過剰反応による皮脂の過剰分泌が起きると一変します。

過剰分泌した皮脂を食べたマラセチアは、その過剰に取り込んだ栄養を元に倍の速度で繁殖を繰り返します。

そして皮膚の外にまで繁殖しすぎたマラセチアは大量の排泄物を出します。

そのマラセチアの排泄物が大量に皮膚にのなかに入りこむことによって、その排泄物を有害と認知した脳が抗体に指令を出すことで攻撃を開始します。

その抗体による攻撃が量が多ければ多いほど過剰に反応することになるのでアレルギー反応を起こします。

このアレルギー反応が脂漏性皮膚炎となり、先に言った頭皮を含む顔全体に皮脂を分泌する器官が多い場所が強い痒みと発疹そしてべたべたと引っ付くような感覚になるのです。

脂漏性皮膚炎の対処法について

脂漏性皮膚炎の対処法としては、その原因の根本には体の不調が関係しています。

そこでホルモンバランスを整えてくれる緑黄色野菜に多く含まれているビタミンB群を摂取しつつ、しっかりと睡眠と余分な皮脂を落とすため入浴を行ないます。

その上で原因がストレスの場合にはストレスを解消する行動を起こします。

この一連の行動をしつつ、完全には痒みを抑えることは出来ないので皮膚科を受診して軽いステロイドとカビの増殖を抑える抗真菌剤そして抗ヒスタミン剤やビタミン剤を服用して痒みを抑えつつ完治を目指します。

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